上級者のバイオリンの音色はとても柔らかく、優しい音がします。
初心者にはあのような柔らかい音はだせないのでしょうか?
バイオリンは本体や弓によっても音が変わりますが、弦でもはっきりと音が変わります。
弦は色々な国で作られており、それぞれ人気度や好みでメーカーを選んだりしますが、一番音に違いを出すのは弦の素材です。
弦の素材によって音質自体が変わりますので、初心者でもどのような音が出したいのかにより選ぶことができます。
バイオリンは弦の材料によって音が全然違う?
バイオリンの弦は、コアと呼ばれる芯にアルミやシルバーなどでできた極細の針金のようなものが巻き付けられています。
その芯の材料によって音色が大きく変わります。
スチール弦は金属でできており、はっきりとしたクリアで明るい音が特徴です。
ガット弦は羊など動物の腸からできており、豊かで柔らかくあたたかい音がします。
ただし、音がなかなか安定せず、調律して10分ほどで音程が下がるなど初心者には不向きです。
ナイロン弦はナイロンに限らず様々な合成繊維でできており、ガット弦に近い柔らかな音が特徴です。
であるにも関わらず扱いやすいので、現代の主流として多くの人に使われています。
バイオリンは弦の張り方一つで音が全然違う?
弦の張る強さにより音の高さが変わります。
弦を緩く張ると弦がゆっくり揺れるので音は低くなり、強く張ると弦が細かく早く揺れるので高くなります。
また、弦は気温や湿度によって状態が変わり音も変わります。
ガット弦は気温や湿度の影響を受けやすく、張ってから音が安定するまでに、2週間くらいかかります。
逆に、スチール弦は温度や湿度の影響を受けにくいので、張り替えてから2~3日で安定します。
ナイロン弦は1週間程度で安定します。
バイオリンはギターなどと違い慣れるまで調律が少し難しいかもしれません。
弦を緩めに張ってあるときにわかりやすいのですが、4本のうちの1本を締めると他の弦の音程が下がってしまいます。
これはバイオリンの構造によるもので、バイオリンは4本の弦がテーブルピースに固定されていて、このテーブルピースが浮いた状態になっています。
その為、どれか1本が引っ張られると他の3本が緩んでしまうのです。
最初のうちは何度も合わせなおしをしなければなりませんが、回数を重ねるうちに慣れて手早く合わせられるようになります。
まとめ
バイオリンの弦の素材や張り方での音の違いについて説明しました。
弦によって音に違いがあり、様々なものを試してみたいところですがお安いものではありませんので、楽器店や上級者のアドバイスなどでお気に入りの音を探してみてはいかがでしょうか。