秋になると街中にある整然としたイチョウ並木が見る人の心を落ち着かせます。
そしてイチョウの種子は、あの美味しい銀杏だということはご存知の通りです。
見て良し、食べて良しと万能な銀杏ですが、イチョウ並木の周りを歩くと臭くないですか?
よくイチョウ並木の下には黄色やオレンジ色の果肉のような物が落ちています。
アレこそが臭いの元凶なのです!
間違って手についてしまった時は、臭いが取れず一日中ブルーな気持ちになります。
「〇〇さん今日ちょっと臭うね」なんて影で噂されてしまったら立ち直れません。
そこで今回は銀杏の臭いの成分と、万が一手や物についた時の消臭方法をお伝えします。
銀杏が臭い理由!銀杏のにおい成分とは?
銀杏は葉や木自体に悪臭はしませんが、オレンジ色の果肉のようなものが悪臭を発しています。
銀杏はスギやマツと同じ裸子植物のため、実をつけることはありません。
あの果肉や実に見える物体は、種なのです。
オス株は種をつけず、メス株だけが種をつけます。
ちなみに銀杏の種は、オレンジ色の果肉のような部分が外種皮で、その中の硬い殻のような部分がない内種皮となっております。
食用となるのは内種皮より内側の胚乳という部分です。
・銀杏はなぜ臭い?
銀杏の幹や葉は臭くないですが、種皮の外層部分が臭いのです。
つまり、オレンジの果肉みたいなところが臭いの原因になります。
なぜそれほどまでに臭いを発する必要があるのでしょうか?
その答えは、動物に食べられないようにするためだと考えられております。
人以外の動物ですらあの臭い部分を食べようとしません。
イチョウは「生きた化石」とも呼ばれており、恐竜が生きていた時代より遥か前から存在しています。
二億年以上前から現在まで絶滅しなかったのは、自ら臭いを発することで食べられることから守ってきたからこそと言えるでしょう。
・銀杏の臭い成分
銀杏に臭いの元となる成分は、酪酸とエナント酸です。
酪酸:チーズや人間の足の匂いがする。
人の皮脂にもこの成分が含まれている。
揮発性が高くないため、一度着くと臭いが取れづらい。
エナント酸 :油状の液体で腐った臭いがする。
こちらも酪酸と同じく、汗をかいた時の人間の足の臭いがする。
酪酸とエナント酸この2つの主成分のチーズや汗をかいた足の臭い、腐敗臭などが足し合わさる事で強烈な臭いに感じるのです。
銀杏の臭いを消す方法
銀杏の匂いが付いてしまったら、どう対処すればいいのでしょうか?
また拾ってきた銀杏を自分で調理する場合、臭いを消すための下処理はどうすればいいのかもご説明します。
手についた場合
・石鹸で洗う
銀杏の外種皮は強アルカリ性のため、そのままにしておくとかぶれます。
まず触ってしまったらなるべく早く石鹸で洗いましょう。
・歯磨き粉で洗る
石鹸で洗っても臭いがとれない時は歯磨き粉を使いましょう。
歯磨き粉には消臭効果があるため、念入りに手を擦り洗いましょう。
一回で臭いが取らなくても繰り返し洗うと臭いもだんだん気にならなくなります。
・グレープフルーツの皮
それでも落ちないという場合は、グレープフルーツの皮がおすすめです。
グレープフルーツの皮にも消臭効果があるため、皮を手に擦り付けましょう。
靴についた場合
①踏んでしまったらティッシュやゴム手袋で銀杏をすぐに取り除きます。
素手で触るとかぶれる上に手も臭くなるので絶対にやめてください。
②中性洗剤とタワシを使い、汚れた部分を擦りながら水で洗い流します。
③バケツに重曹を溶かした水を、臭いがついた部分が浸るくらいの高さまで入れます。
3時間前後つけ置きし、洗い流します。
④もしまだ臭いが残る場合は、汚れた部分に重曹を直接ふりかけ3時間前後放置します。
放置後は洗い流してください。
以上のようにすると、臭いはあらかたなくなると思います。
もし、本革の靴や革の鞄にほんの少し臭いがついた場合、革が悪くならないかダメージが心配ですよね?
そんな場合は水に浸さなくても大丈夫です。
部分的に重曹を振りかけ放置するか、水に溶かした重曹をキッチンペーパーなどに染み込ませてあてておくといいでしょう。
料理に使う
①水の入ったバケツに銀杏を入れ、ゴム手袋をして揉んで外種皮と内種皮を分離させます。
ペットボトルの中に水と一緒に入れて振ったり、ジップロックの中に入れてもみこむ方法も手間がかからずおすすめです。
②きれいになるまでなんども水を捨て①の作業を繰り返します。
③天日干しで3日ほど乾燥させる
硬い内種皮を向いたとき、まだ水分が出るようでしたらストーブなどで乾燥させます。
しっかり乾いたらOKです。
1番最初に、銀杏を水に何日もつけてから、外種皮と内種皮を揉み込んで分離する方法もあります。
時間に余裕があって、念入りに臭いを消したい場合はおすすめです。
まとめ
銀杏の臭いを消すには、スピードが命なので一刻も早く洗いましょう。
もし、石けんや洗剤で臭いが取れなくても、歯磨き粉や重曹など安価な物で臭いが解消できるのは嬉しいですよね。
銀杏を触ったり踏んでしまったら、早めの対応を心がけましょう。